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今治の伝統 その2 『桜井漆器について』

不思議なもので日本人は近くの人や物を軽視する傾向があるのかも知れません。
ことわざ通り親族が亡くなってからありがたみを感じたり、遺品を処分した後で
捨てなきゃ良かったと思ったり・・・・

実は桜井漆器もその一つ。実家の片付けをしていて桜井漆器が出てきました。
以前は詩吟教室等で来客が多かったため、茶器等いいものがありました。
しかし、置き場所に困って処分してしまったんです。

たまたま愛媛県の伝統的特産品の現状を書いた「伝統を綴る」という本を弊社重松社長が紹介してくださったので読んでみました。

漆器の産地は全国各地にあるけれど桜井漆器は今、NHKの朝ドラで話題の輪島塗や会津、和歌山の黒江などから技術者を集め、それぞれのいいところを取り入れて作ったそうです。

更に「櫛指法」という独特な技法を考案し、非常に堅牢なものになり、
西条藩の蒔絵の技術で美しさが加わり、供給が追い付かない程だったそうです。
桜井漆器は漆器の中でも有名な輪島より質の良い物とは知らなかったです。

捨てなきゃよかった・・・・・

「手作りの歴史ある技術の器を手にしながら、作り手の苦労を思いやる。」
そんな心の余裕を持てるのはいつの事やら・・・・
今では、他の伝統的特産品と同じく安い代用品におされ、数軒しか残ってないそうです。

伝統を継承していくには公的な支援が必要なのかも知れません。

                村上

2015年05月04日豆知識| 投稿者:重松建設重松建設
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